用語集

あたりまえの解説になってもおもしろくないですから弊店らしく、偏った「用語集」を提供します。


*レコード
  やはり発明したのは「エジソン」さんでしょう。蓄音機がスタートですね。「LPレコード」はV形状の溝に左右の音を刻んだ「2chステレオ]が基本です。末期には前後左右の「4ch」もありました。ちょっとごまかしの「マトリックス方式」(ソニーさんはSQマトリックスでしたね)や周波数を変えて変調したりした正味の「4ch」にした「ディスクリート方式」(確か「CD-4」)もありました。が、普及はイマイチ。
ビニールで出来てます。SP盤のように簡単には割れません。


*PCM(pulse code modulation)
  難しいことは検索すればいくらでも解説サイトはありますので。
要は「なめらかーな」アナログ信号を大きさ軸と時間軸にサイの目に切り出してデジタル化すること。
たとえば「サンプリング周波数44.1kHz 16bit」は1秒間を4万4千100に分割してその大きさを65536段階で表現することです。サンプリング周波数の半分の周波数まで音に出来るらしく、人間は2万ヘルツまでしか聞こえないということで音楽CDはこの形式になりました。
CDプレーヤが販売され始めたころはこのフォーマット(形式)でもキチンとした変換は難しかったようです。
メーカによっては「14bit」しか処理できないLSIを使用していました。
真四角のブロックを積んだようなデータが、あら不思議、ローパスフィルター(高音を遮断する)を通すとなめらかーなアナログ信号になるんです。(ちょっとウソ)現在ではもっともっと高度な方法でアナログ信号に変換しているらしいです。
そういえば学生実験で矩形波をコンデンサーとコイルの簡単なローパスフィルターを通しただけで見事なサインカーブになりました。


*音楽CD
  上記「PCM」を使って、音をちいさな(レコードより)ディスクをつくりました。開発中はキチンと読みとり出来なくて大変だったようです。
でも実は、エラーの訂正もパソコンのデータのように一文字もミスが許されないわけではないので結構アバウト。無いデータまで「推測」してるようです。なかなか分かりませんが。(笑)
あ、当初の収録時間「74分」は故カラヤン氏がベートーベンの「第九」を1枚で収めたい、とおっしゃったことで決まったというのは有名なお話です。


*FM(Frequency Modulation)ラジオ放送
  現在でも音楽ソースとして活躍していますね。1970年代前後はレコードが高価だったこともあり、ホントに貴重な音楽源でした。放送をテープに録音することを「FMエアチェック」と呼んでおりました。
FM(Frequency Modulation)とはアナログ周波数変調方式のことで、音の波形を電波の波形の「密度」で表現する方法です。「密度」=周波数ですから周波数自体が変化していることになります。日本ではアナログテレビ放送の下の周波数帯を使っています。
私的には「NHK」のFM放送は民放が殆ど扱わないジャンルの音楽を提供しているので非常に貴重だと思いますが、「NHK」が電波を使いすぎているとの批判があり、放送を停止するとの噂もあります。(紅白歌合戦なんて何局で同時放送してるの?テレビだけで3つでしたっけ??)
そうなると非常に残念ですね。「国営放送」は「お笑い」などは民放にまかせ、文化の育成のため、聴くことの少なくなった、クラシック、ジャズ等に力を注ぐべきでは?
「風俗」と「文化」は明確に区別して取り扱うものと思います。
視聴率=放送のあり方、ではないはずです。時代についていくことは必要でしょうが、人材の教育に多額の費用が必要な割に儲からない「音楽家」には公の支援が不可欠かと。よろしくお願いします>国営放送さま。


ところで、FM放送は2chの「ステレオ」ですよね。これは「和差方式」でモノラルとの互換を保っています。
左右、別々の信号が流れていて、モノラルはそれを合成してる、と思っている人も多いのではないでしょうか。
正解は「主信号」は「左+右」。副信号は「左ー右」で送ってます。
モノラルは主信号を聴けばいい。
ステレオは
左=主信号+副信号(「左+右」+「左ー右」)=2*左。
右=主信号ー副信号(「左+右」ー「左ー右」)=2*右。
で左右の信号を作っています。

デジタル全盛のなか、意外でしょ。(笑:しったか)
最近は高音質のFMチューナーは少ないですが、いいのを使うとデジタルにも迫る音質です。
(中継局間でデジタルを使ってるので上回りはしないでしょう。たぶん。)


*レコードプレーヤの「針」
  ブログにもカートリッジのことを書いたんですが、その先の「針」について。
多くのかたが「針」と思っている5mmほどの棒は正確には「針」ではなく「カンチレバー」といいます。
ここらの質量(重さ)とか強度とかも重要らしく、私の所有しているものには「中空ベリリウム」を使って、軽量化と強さを兼ね備えたものもあります。
「針」はその先の長さ1mmにも満たないようなものでカンチレバーに直角に打ち込まれ、レコードに接するようになっています。ある程度の高級機はこの「針」が丸ごとダイヤモンドで出来ています。ダイヤモンドは人類が知る最も硬い物質ですが、やはり「結晶」ですから方向的に強い向き弱い向きがあるそうです。ですから、その大きさなら結晶構造がわかりますからレコードにあたるところに強い軸がくるように成形研磨できるらしいです。
そのためキチンと使うと1000〜2000時間も使えるそうです。

一方、「交換針2000円」とかで売ってるものは、その「針」は金属でさらにその先っぽにごく小さいダイヤモンドの「くず」を接着して、研磨しています。これは殆ど結晶構造など分かりませんし、判断して先っぽにつけることが出来ないほど小さなものです。ですから、結晶のどこがどうレコードにあたっているかは誰も知りません。
こういうタイプは通常200〜400時間の寿命と記されていますね。

DL-103に代表されるMCカートリッジは針交換が出来ないものが多いので針が傷むと、本体ごと「針交換価格」で交換しますが、噂によると「針」が減って問題になっていることはまず無いそうです。


*RIAAカーブ
  「RIAA」とはアメリカのレコード会社による業界団体のことです。ここが協議したものが、世界の「業界標準」となったようです。
カートリッジからの信号を通常の「ライン入力」(CDとかカセットとかの接続端子)に接続すると音量が小さなだけでなく、高音が大きく低音が小さく再生されます。これは元々「RIAAカーブ」でそういう風に記録してあるからです。
理由は音の振幅信号は、同じ音量でも低音は大きく高音は小さいからです。そのまま記録すると低音の振幅の幅が非常に大きいので隣の溝に影響しないように、間隔を広くすることになります>収録可能タイムが短くなる、と言うことですね。
こうすることで、溝間隔は小さくでき、なおかつ、ノイズの目立つ高音は大きく録音しますから再生するときに小さくすることでノイズも減ることになります。「溝の有効利用」と」言ったところですか。
ついでに書きますと、レコードの溝の「深さ」は一定ではありません。音量が大きいときは深く、小さな時は浅くなっています。これは深さを音量でコントロールするということですが、現在ではともかく、LP全盛のころにはリアルタイムでは非常に難しい作業でした。
そのためカッティングの際はテープレコーダに再生ヘッドより前にもう一つヘッドをつけて音量を先読みしてカッティングの深さを制御していました。

ということは「レコードによる生録音」はとても難しいということです。
「シェフィールドラボ」という超高音質、ダイレクトカッティング(録音をテープ等を通さずに直接行う)を売りにしていたレコードレーベルがありましたが、ここではエンジニアが音楽を理解しておいて、音量を先読みして手動で調節していたと聞きます。一発勝負のすごい技術です!!
昔、何枚か聴いたことがありますが、凄まじい臨場感であったことを記憶しています。
昔のレコードは殆どのソースがテープでしたから、デジタル録音がはじまるまで、宿命の「ヒスノイズ」は必ずありました。
そのころのオーディオ機器のダイナミックレンジ(音の大小の幅)では「磁気テープ」がダントツで狭かったですからね。今はなんでしょ?恐らく「環境ノイズ」が原因で「録音環境」でしょうか。
他の機器は90dbのダイナミックレンジは確保してますからね。




ここまで:2009/6/24
続きます。